葉山御用邸とは?一般公開や歴史をわかりやすく解説

葉山御用邸

神奈川県葉山町にある「葉山御用邸(ごようてい)」は、皇室が静養のために利用する特別な施設です。周囲は高い塀に囲まれており、一般公開はされていないものの、その存在感と歴史に関心を寄せる人は少なくありません。明治時代から続くこの御用邸は、上皇陛下や昭和天皇がたびたび滞在されたことでも知られています。本記事では、葉山御用邸の役割や歴史、外から眺められるスポット、周辺のおすすめ観光地まで幅広く解説します。葉山観光をより深く楽しみたい方、皇室に興味がある方におすすめの内容です。

葉山御用邸とは?

御用邸の意味と役割

御用邸とは、天皇や皇族が日常の公務から離れ、静養のために滞在する離宮のことです。現在、皇室の御用邸は3カ所あり、那須(栃木)、須崎(静岡)、そしてこの葉山がそのうちのひとつです。葉山御用邸は温暖な気候と美しい海に面した立地から、冬季を中心に利用されることが多いのが特徴です。

御用邸は公務の場ではなく、いわば皇室の“プライベートリゾート”とも言える場所。そのため、静けさと警備体制の両立が求められる環境に位置している必要があります。

三大御用邸の比較

名称所在地特徴
葉山御用邸神奈川県葉山町温暖な気候と海に面した静養地
那須御用邸栃木県那須町高原リゾート、夏の避暑地として利用
須崎御用邸静岡県下田市海に面した静かな環境、釣りを楽しまれることも

それぞれの御用邸が異なる季節や用途に応じて利用されており、葉山はとくに「冬の静養」に適した場所とされています。

葉山御用邸の基本情報

  • 所在地:神奈川県三浦郡葉山町一色
  • 土地面積:95,796.46㎡(東京ドーム約2個分)
  • 建物延べ面積:3,625.70㎡
  • 建物構成:本邸、付属屋、御座所、庭園など
  • 管理者:宮内庁

引用元:宮内庁「皇室用財産一覧表」(令和6年3月31日現在)

御用邸の周囲は高い木々や塀で囲まれており、外から内部の様子をうかがうことはできません。

葉山御用邸の歴史

建設の経緯と初期の使用

1894年(明治27年)、明治天皇の命により葉山御用邸は建設されました。当時、葉山は政財界の別荘地として注目されており、鉄道網の整備も進んでいたためアクセスの良さも後押しとなりました。完成後は明治天皇をはじめ歴代天皇の静養地として使用されるようになります。

時代別の御用邸の利用

  • 明治〜大正:明治天皇が頻繁に訪れ、葉山に別荘文化が根付く
  • 昭和初期:昭和天皇が研究活動を行う場としても利用
  • 戦後〜平成:上皇ご夫妻が静養や療養に利用、近隣住民との交流も
  • 令和:天皇皇后両陛下も近年訪問

1971年の火災と再建

1971年、老朽化していた本邸が火災により焼失。これを受けて現代的な建築技術と伝統的な意匠を融合させた新本邸が再建されました。再建後も皇室の重要な静養地として使用され続けています。

葉山御用邸は見学できる?

一般公開や見学の有無

残念ながら、葉山御用邸は一般公開されていません。また、特別公開なども行われておらず、敷地内に立ち入ることはできません。ただし、隣接する葉山しおさい公園からはその雰囲気を感じることができます。

御用邸が見えるおすすめスポット

  • 一色海岸:砂浜から御用邸の塀越しに樹木や屋根が見える
  • 葉山しおさい公園:庭園の奥に隣接する御用邸の一部が望める
  • 一色大通り:警備が厳重な門前を通りかかることができる

近くまで車で行くというケースもあるかと思います。その際に役立つ葉山のコインパーキング情報が以下の記事へ掲載されていますので、参考にしてみてください。
葉山のコインパーキング情報【2025年最新】|観光に便利な駐車場まとめ

警備とマナー

御用邸周辺は常に警察や宮内庁職員が警備をしており、写真撮影や長時間の滞在には配慮が必要です。ドローンの飛行も禁止されており、静かな町の一角としての尊重が求められます。

葉山御用邸周辺の観光スポット

一色海岸

遠浅で透明度の高い海が魅力の一色海岸。環境省選定の「快水浴場百選」にも選ばれ、夏は海水浴、春や秋は散策にぴったりのスポットです。御用邸の目の前に位置しており、自然と格式を感じることができます。

参考:葉山町公式サイト

葉山しおさい公園と博物館

もともと御用邸の庭園だった場所を一般公開した公園。立派な日本庭園や小規模な博物館があり、皇室に関連する展示も見られます。落ち着いた雰囲気の中で葉山の自然と歴史を感じられる貴重な場所です。

参考:葉山町公式サイト

近隣の立ち寄りスポット

  • ラ・マーレ:海辺の老舗フレンチレストランです。伝統的なフレンチに固執することなく、採れたての地の魚介類や旬の三浦野菜などをふんだんに取り入れた、葉山を感じることのできるフランス風創作海辺料理を心ゆくまで満喫できます。
  • 葉山ブレドール:葉山の有名老舗ベーカリー。フランス産エシレバターを使用した食パンをはじめ、季節の果物や鎌倉野菜などのさまざまな素材をいかしたパンを楽しむことができます。
  • サンルイ島 葉山店:1986年に葉山の一色でスタートしたサンルイ島は、伝統的なフランス菓子を中心にビエノワズリー(パン)やジャム・チョコレート菓子・アイスクリームなど様々な商品がありますので、ぜひご賞味ください。
  • 菓子工房 Ma Chouchoute(マ・シュシュット):2024年8月1日にOPENした焼き菓子店です。フランス、ベルギー、ルクセンブルクで修行をし、日本代表として世界大会で受賞した経験もあるシェフがひとつひとつ心を込めて焼き上げるお菓子を楽しむことができます。

葉山おすすめのお土産について、こちらの記事も参考にしてみてください!
【逗子・葉山】地元民がおすすめするお土産14選!

葉山御用邸にまつわる逸話と地元の声

昭和天皇の逸話

昭和天皇は植物や海洋生物に関心が高く、御用邸滞在中も観察や研究を続けられていたといわれます。しおさい博物館には、昭和天皇ゆかりの展示も見られます。

地元住民にとっての御用邸

葉山の人々にとって御用邸は「日常に溶け込んだ非日常」の象徴。静けさを守る町の姿勢や、警備への協力など、地域ぐるみの配慮が根づいています。観光客の多くも、その雰囲気に魅了されるのです。

まとめ

葉山御用邸は、歴史と格式、そして自然に囲まれた静謐な場所です。一般公開はされていないものの、周辺からその雰囲気を感じることは十分可能です。葉山観光をより豊かにするためにも、御用邸の背景や文化を知ることは大きな価値があります。ぜひ一色海岸やしおさい公園を訪れ、葉山の静かな魅力にふれてみてください。